ニュースを見聞するときの精神は???
いきなり数学の話で失礼します。
面積は相似比の二乗に比例し、体積は相似比の三乗に比例します。
ある長さ、ここでは「L」としましょう。
ある鯨の長さが「L」とすると、次の鯨類調査で長さ「2L」の鯨を捕るとすると、この鯨は長さ「L」の鯨の8倍の体積となると言うことです。つまり肉の量は8倍、重量は8倍と言うことになります。ながさ「L」の鯨を引き揚げる時に比べて、使用する漁具は8倍の強度が必要となります。肉を裁く(処理する)にも8倍の労力を必要するのです。
昔は、長さ「L」の鯨を300頭捕っていたのに、これが400頭になると単純に3割強の労力(労働量)が余計に必要になります。これが長さ「2L」の鯨を100頭捕るようになると長さ「L」の鯨を800頭捕るのと同じ肉の量になるのです。400頭の鯨を処理していたときの労働量の2倍の量になります。
これが、長さ「L」の鯨400頭に加え、長さ「2L」の鯨100頭を余分にとるようになると合わせて1200頭の鯨を捕ることになるのです。400頭の鯨を捕っていた頃の3倍の労働量になるのです。今仮に、400頭の鯨を処理するのに、毎日8時間働いていたとすれば、1200頭の鯨を処理するためには、毎日24時間働かなければならない勘定になるのです。
ここで労働者諸君よ、皆はこのような労働に耐えられるか。人員を一気に2倍にしても、1.5倍の労働をこなさねばならないのです。調査捕鯨ではどのような仕事をしていたと考えますか。南極海まで出かける船が、一気に2倍の人員を乗せていったと考えますか。ニュースを見聞きするときには、このようなことも考えながら理解してゆく精神が必要です。
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